2019.12.23

ビジネス
ビジネスのあらゆる悩みに閃きを。40代ビジネスマンが読んでおきたい良著10選 【 ビジネス選書 WEB 主宰 藤井孝一氏 選定】

仕事において、さまざまな結果が求められる40代ビジネスパーソン。
壁にぶつかったとき、あなたはどのように乗り越えますか?

すばらしい本との出会いは、人生を豊かにする宝物。読書によって新しい知恵や価値観に触れられ、自分を成長させるきっかけになります。しかし、ゆっくりと本を探す時間がないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、選書家であり、50冊以上の著書をもつビジネス書のスペシャリスト、藤井孝一さんに、よいビジネス書を選ぶポイントとおすすめの良書10選を教えていただきました。

 

藤井孝一  経営コンサルタント(中小企業診断士)、
株式会社アンテレクト取締役会長

独立・起業を目指すビジネスパーソンに対し、ノウハウ提供やアドバイスなど、実践的なサポートを行う。「副業」と呼ばれていた「在職中から起業する」スタイルを「週末起業」と名付け、その普及に東奔西走。2003年に「週末起業フォーラム」を創設、1万人を超えるビジネスパーソンが学び、独立・開業を果たす。さらに、ビジネスパーソンの自立を、教育コンテンツ・パートナーシップ・インフラの面からも支援するため、株式会社アンテレクトを創設。著書に代表作「週末起業」(筑摩書房)のほか50冊以上。うち、いくつかは中国・台湾・韓国でも刊行されている。1966年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。

※以下はすべて、藤井さんのインタビュー内容です。

 

 

新しい知識や偉人の追体験が自分を変える。ビジネス書の3つの魅力

私は選書家として活動し始めるより前から、経営者として、経営コンサルタントとして、ビジネスに関する多くの知見を書籍から得ていました。今でもほぼ毎日のように書店に立ち寄り、週に最低5冊は新しい本を手に取っています。しかし、「ビジネス書はなんだか胡散臭い」と懐疑的なビジネスマンがいることも知っています。そこで、私が考えるビジネス書の魅力を3つご紹介します。

  • 1.知識が得られる
  • 読書をすることで、自分が経験していない業種や業界の知識を得られます。例えば、新人セールスマンが営業関連のビジネス書を読むことで、営業の手法やトークの方法を知識として取り入れることができ、現場に出たときの立ち上がりが早くなります。
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  • 2.新しい考え方や価値観に出会える
  • 世の中で活躍する成功者のストーリーから、新しい考え方や価値観を学べます。例えばスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスの経営観を本人の口から聞ける人は限られますが、本には彼らの考えが選び抜かれた言葉で綴られています。
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  • 3.人の経験を追体験できる
  • 企業で働いていると、日々同じスタッフと顔を合わせて業務をすることが多くなります。ビジネス書を読むと、普段は関わらないスペシャリストの経験を追体験でき、日常生活では味わえない刺激や学びを得られます。

ビジネス書は知識を補うだけでなく、自分の世界を広げる“大人の教科書”。読む人を新たなステージへと導いてくれます。

ビジネス書を選ぶ3つのポイント。おすすめは「書店で斜め読み」

本は私たちに知識を授け、生活を豊かにしてくれます。しかし、どんな本でも良いわけではありません。日々無数に出版される書籍の中から“良いビジネス書”を見極めるために、以下のポイントを押さえましょう。

ポイント1:本を読む目的を考える

  • 本を読み慣れていない人が「とりあえず何か一冊買ってみよう」といきなり書店に行っても、膨大な書籍に囲まれ、途方に暮れてしまうでしょう。
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  • ・専門的な知識を得たい
  • ・自分の考え方や価値観を変えたい
  • ・自分とは違う人生を歩んできた人のストーリーから刺激を得たい
  • ・頭の体操をしたい
  • など
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  • 自分が本を読みたいと思う目的を考えることで、ジャンルやキーワードを絞った本選びができるようになります。

ポイント2:書店で本を選ぶ

  • ネットショッピングが当たり前になった現在、本もネットで購入する人が増えています。しかし、本当に良い本と巡り会うためには、書店で選ぶのがおすすめ。
    書店で本を選ぶ最大の魅力は、内容を確認できること。その本が自分の目的を満たしてくれるのか、また、本当に購入に値するのかを判断できます。

ポイント3:斜め読みしてみる

  • 本を手に取り、内容を確認するときは「斜め読み」が有効です。以下のポイントに注意して内容を確認しましょう。
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  • ・目次をチェック
  • キャッチーなタイトルで惹かれても、目次を見るとイメージした内容と異なることがあります。まずは目次の項目をチェックして、自分が求める内容が書かれているかを確認しましょう。
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  • ・“煽り系”の表現がないかをチェック
  • 著者のマーケティングやブランディングなど、宣伝目的で出版される本もあります。そういった書籍に見受けられるのが、人の心理を操作するような煽り表現。読者の不安感や恐怖心を過剰に煽るような表現が多い場合は注意しましょう。
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  • ・客観性があるかチェック
  • 著者の主観のみで書かれた書籍は要注意。書籍化されている時点で真実だけが描かれたものだと信用してしまいがちですが、必ずしもそうではありません。科学的なデータや参考文献が明示されている書籍は信頼できるので、斜め読みの際にチェックしましょう。

3つのポイントを押さえたら、ぜひ書店に足を運んでください。途方に暮れることなく、本選びを楽しめると思います。

選書家が選ぶ「ビジネスマンが壁を乗り越えるための10冊」

ここでは、40代ビジネスマンのさまざまな悩みに応える良著を10冊選んでみました。
ビジネス書を読みたいが選びきれないという方や本屋に行くのがめんどうという方は、まずは以下でご紹介する良著を手に取り、ビジネス書の魅力に触れてみてください。

1.モノが売れずに悩んでいる方、売るための営業戦略について学びたい方へ


「影響力の武器 『ロバート・チャルデニー』」(誠信書房)

http://www.seishinshobo.co.jp/book/b177759.html

営業マンやマーケターなど、モノを売ることに課題意識があるビジネスマンにおすすめ。セールスマン・募金勧誘者・広告主など、人心掌握のプロのテクニックから、心理のメカニズムを解明。彼らのやり方から、人を説得する方法を学べる一冊です。

売り方にはいろいろな手法があり、トレンドのテクニックが注目されがちですが、まずは買う側の心理のメカニズムと、それを動かすテクニックを学ぶべき。本書は分厚く、一見すると学術書のような雰囲気ですが、6つの原則について書かれたシンプルな構成で読みやすく、マーケティングの根本を理解できます。

2.リーダーシップを得たいと考えている方へ


「できるリーダーは、「これ」しかやらない 『伊庭正康』」(PHP研究所)
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84237-0

リーダーシップのあり方が大きく変化する中、注目されているのが、リーダーが部下に対して奉仕の姿勢で向き合う「サーバントリーダーシップ」という考え方。本書にも、仕事の「任せ方のコツ」や、部下のやる気と能力をフルに引き出す方法など、これからのリーダーに必要な考え方や手法が解説されています。

大切なのは、任せどころをわきまえることで部下の主体性を養い、自分から「やりたい」と思わせること。リクルートで営業リーダーを経験し、プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞した著者が語る、新しいマネジメント術です。

3.キャリアアップや転職について考えている方へ


「さあ、才能に目覚めよう 『マーカス・バッキンガム』」(日本経済新聞出版社)
https://www.nikkeibook.com/item-detail/32143

キャリアアップや転職を成功に導くには、「自分を知ること」と、それを「言語化すること」が重要。強みを伸ばすより欠点を直すのに時間を割く人が多いですが、その考えは果たして正しいのでしょうか。本書は世界で話題となり、国内でも50万部を売り上げたベストセラー。自分の適正を知り、活かす方法が詳しく解説されています。

内容もさることながら、この本には自分の強みがわかるウェブサイト「ストレングスファインダー」へのアクセスIDがついています。才能診断により、34に分類された資質の中から自分がどれに該当するのかを知り、10の行動アイデアと3つの活かし方を学べます。

4.発想力やアイデア力を伸ばしたいと考えている方へ


「アイデアのつくり方 『ジェームス W.ヤング』」(CCCメディアハウス)
http://books.cccmh.co.jp/list/detail/963/

アメリカの広告代理店最高顧問が執筆した本書では、「直観だけが新しい洞察に到達する唯一の道」という考えの基、それを着想する方法がシンプルに解説されています。1940年から世界を魅了する不朽の名著。アマゾン「オールタイムベストビジネス書100」にも選出されています。

本文はわずか60ページと読みやすいので忙しい方にもおすすめ。書かれている手法がシンプルな分、実践には技量と努力が必要ですが、アイデアを生み出すことを生業としている人なら、手元に置くべき一冊です。

5.経営についてもっと知りたいと考えている方へ


「新しい経営学 『三谷 宏治』」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
https://d21.co.jp/book/

経営を理解するためには「経営学」を学ぶ必要がありますが、従来のそれは「経営戦略」「マーケティング」「人・組織」など各専門分野の集合体。すべてを学び、理解しなければなりません。本書は、そんな経営学をビジネスモデルから理解できる入門書。

読みやすい文体と図表で、GoogleやAmazon、スターバックスといった一流企業を事例に、経営視点が無理なく身につきます。また、最新のビジネスモデルをフォーマットに沿って書き出す演習も収録されているため、理解しやすく非常に実践的。現場で活かせる経営学を学びたいのであれば、この一冊で十分です。

6.最先端のビジネスの知見やノウハウを知りたい方へ


DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」(ダイヤモンド社)
https://www.dhbr.net/ud/backnumber

グローバル・リーダーを目指す方におすすめなのが、「世界14か国に60万人以上の読者がいる」といわれる総合マネジメント誌「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」です。「ハーバード・ビジネス・スクール」の機関誌として創刊された雑誌で、掲載されている情報は、いわばビジネス書になる前の知見やノウハウ。最先端の情報を得られます。

学術論文のような難解さはなく、例えばオピニオン・リーダーの提言や解説が日本仕様にアレンジされ訳されているため、仕事に役立つ情報が満載。経営幹部から若手ビジネスパーソンまで、多くのビジネスマンに圧倒的に支持されており、私も愛読しています。

7.雑談力を高めたい方へ


「超一流の雑談力 『安田正』」(文響社)
https://bunkyosha.com/books/9784905073154

雑談力を高める方法を具体的、実践的に解説した本書。全38項目でそのテクニックが紹介され、さらに、雑談力を鍛えるためのトレーニング方法も収録されています。

無自覚にやってしまいがちな話し方や、聞き方のクセを知り、楽しみながら改善のヒントが得られる「雑談」を扱った稀有な本です。

8.人の感情について知り、マネジメントに活かしたいと考えている方へ

「ヤバい心理術 『ロミオ・ロドリゲス Jr.』」(SBクリエイティブ)
https://www.sbcr.jp/product/4797380446/

周囲を操る心理術が学べる本書。政治家など、人心掌握を必要とする職業の人たちが意識的に使っているスキルが理解できます。

著者の個人的経験則ではなく、科学的知見と実験をベースに書かれているため、信頼性が高くすぐにビジネスの現場で役立つノウハウが満載。ちなみに、これを読めば前述した「“煽り系”の表現」にも気付けるようになり、良い本選びにも役立ちます。

9.部下との人間関係やコミュニケーションに悩んでいる方へ


「人を動かす 『デール・カーネギー』」(創元社)
https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=799

邦訳500万部超の歴史的大ベストセラー。1937年の初版刊行以来、時代に合わせて改訂されてきました。「人を動かす3原則」「人に好かれる6原則」「人を変える9原則」という人間関係の原則を、事例を交えて説いた自己啓発書の原点というべき名著。

部下との関係性を改善したいと考えている方は、すでにいろいろな方法を学び、試してきたと思いますが、この本の「人を動かす3原則」を知ることで、一度本質に立ち返ることができるはず。部下も一人の人間であることを再認識し、その本質に沿ってアプローチすればいいのだと、頭を整理できる一冊です。

10.上司との人間関係やコミュニケーションに悩んでいる方へ

「あなたが上司から求められているシンプルな50のこと 『濱田秀彦』」(実務教育出版)
https://jitsumu.hondana.jp/book/b100172.html

部下が上司とのコミュニケーションに悩むのは、「上司の希望に応えられていない」ということに原因があるのかもしれません。同書には、5000人の管理職から集めた正しい行動・努力の指針や、部下が上司から信頼され、評価を得るための50の提案が掲載されています。

話し方や態度といった小手先のテクニックではなく、「上司が部下に望むこと」が具体的に示され、わかりやすく解説された一冊です。

読後は「アウトプットで読書の効果を高める」

良い本は、悩み多き40代の心強い味方。マインドに変化をもたらし、さらに自分を成長させるきっかけを与えてくれます。ぜひ本との出会いを大切にし、読書を楽しんでください。

また、「読んで終わり」ではなく、アウトプットすることも重要。
読後にレビューを書いたり、人に話したりすることで、得られるリターンを何倍にも高められます。

私が考える読書後のアウトプット術については、著書『読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方』でまとめているので、ぜひこちらも読んでみてください。

 

執筆:下條信吾
企画・編集:児島宏明

 

読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方

藤井孝一

藤井孝一

経営コンサルタント(中小企業診断士)、株式会社アンテレクト取締役会長 独立・起業を目指すビジネスパーソンに対し、ノウハウ提供やアドバイスなど、実践的なサポートを行う。「副業」と呼ばれていた「在職中から起業する」スタイルを「週末起業」と名付け、その普及に東奔西走。2003年に「週末起業フォーラム」を創設、1万人を超えるビジネスパーソンが学び、独立・開業を果たす。さらに、ビジネスパーソンの自立を、教育コンテンツ・パートナーシップ・インフラの面からも支援するため、株式会社アンテレクトを創設。著書に代表作「週末起業」(筑摩書房)のほか50冊以上。うち、いくつかは中国・台湾・韓国でも刊行されている。1966年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。