中古住宅を正当に評価したいですね【初めての住活007】

新築資本主義が終わりました。リノベーションという言葉もブームで終わらず、定着したようです。

あらためて自己紹介。

 

わたしは、「NPO法人街ごとリノベ開発機構」(東京都認証申請中)の副理事長もつとめています。街ごとリノベには3つの柱があります。

1.空き家などのリノベ。

2.仕事のリノベ。事業承継の取り組みです。

3.地域コミュニティのリノベ。

 

それもあって、空き家を含めた日本の抱える膨大な既存住宅(中古住宅)の存在について、あらためて様々な角度から向き合うことになりました。長所。短所。住まいとしての魅力。

 

仮説。既存住宅(中古住宅)は、活用すれば有効な社会的資産になる。活用しなければ社会的負荷になる。そんな文言に至りました。

 

けっきょく社会的資産にするか、社会的負荷にするか。それを決めるのはわたしであり、あなたです。

 

おっと、何も我田引水して既存住宅(中古住宅)を一方的に礼賛しているわけではありません。住育の基本を思い出してみましょう。持ち家にも賃貸にも、メリットデメリットがあります。そして一戸建てにも集合住宅にも、メリットデメリットがあります。

 

つまり住育のモノサシにそって、既存住宅(中古住宅)の長所短所を見える化してみましょうという提案です。どんな住まいを選ぶかは、それからでも遅くありません。

 

この記事を書いているわたしにも、この記事をスクロールしているあなたにも、長所と短所があります。光と影があります。

 

冷静に、冷徹に、チェックしてみましょう。

【中古住宅のメリット1=欠陥住宅の対策】

最大の長所は逆説的な言いかたですが、短所=欠陥などを見つけやすいことです。竣工して数年たった中古住宅は、欠陥や施工ミスが発見しやすいわけです。不具合のすべてを指摘できるわけではありませんが。
「建売住宅と同じく施工の途中は見えないが、建ってから何年も経過しているという意味においては、それだけ問題が発見しやすく、欠陥をつかまされる危険性は低くなる」(『欠陥住宅に泣き寝入りしない本』(吉岡和弘・加藤哲夫・齋藤浩実著/洋泉社)

【中古住宅のメリット2=シックハウス対策】

1.家族といっしょに実際の住まいを歩いてチェックできます。これは電磁波過敏症においても同様のメリットです。
2.有害な化学物質の多くがすでに揮散しているはずです。新築時、有害な化学物質がてんこ盛りで使われていることも少なくありません。もちろんケースバイケースという側面もありますので、中古住宅なら安全と断言することはできません。しかし安全性が高いとはいえるでしょう。

【中古住宅のメリット3=現物】

契約時に五感を生かして実物や近隣をチェックできます。駐車場へマイカーを持ち込んで入るかどうか試してみる。壁を叩いて柱の位置を確認する。床下点検口へ頭を入れて通風・乾燥などのチェック。騒音はどうか。ヘンな臭いはないか。青田売りマンションだと、こうはいきません。もちろん日本の住まいの要諦=日当たり風通しも部屋ごとに体感できます。マイホームは、あとで取り替えにくいファクターほど重要。隣人を取り替えるのは不可能です。

【中古住宅のメリット4=エコノミー】

コストフォーバリューから考えても、中古住宅は悪くない買い物です。さらに一戸建ての場合、ハンコをおした日にXデーで全壊しても、土地は残ります。マンションが被災したら、補修・建て替えをめぐって紛糾が必須です。

【中古住宅のメリット5=エコロジー】

サステイナブル社会の実現に1票入れる行為です。4Rに貢献します。Reduce(リデュース:削減)。Reuse(リユース:再利用)。Recycle(リサイクル:再生)。Repair(リペア:修理)。

 

とうぜん短所もあります。
1.通り一遍のチェックでは発見できない、「見えざる瑕疵(かし)」の可能性。
2.「違法建築物件」や「既存不適格物件」が、フツーに情報として流通している。が、どんな住まいの形態を選んでも短所やリスクは存在します。

竹島靖

竹島靖

コピーライター・住育研究家

高知県生まれ東京都在住。引っ越し19回。 【著作】『住育のすすめ』(角川SSC新書)、『危ない「住活」』(竹書房新書)など。 【受賞】宣伝会議賞=金賞・銀賞・銅賞・入賞5点。ユーモア 広告大賞=優秀賞2点・入賞3点。毎日広告デザイン賞=優秀賞・部門賞。 【趣味】映画、読書、 音楽鑑賞、食べ歩き、旅行、温泉。 【PV】宣伝会議賞のとりかた https://www.youtube.com/watch?v=e09_4Q7Ctn8 住育ビデオ https://www.youtube.com/watch?v=p9PgJgJ9qAE