シックハウスは、法律では防げません。【初めての住育001】

賃貸派にも他人事じゃない住まいの環境問題。

あのー、同じ男として、つい笑ってしまったんですよ。こんなツイートがありました。

 

「ミニスカートは男性を紳士にする。先にバスへ乗り込む男性はいないからだ」

P!NKLove@followback (@blowme_p)

 

陽が長くなると、女性のスカートが短くなる。

春はミニスカートの季節。恋や花が芽生える季節。そしてシックハウスの季節です。

え、「俺は賃貸派だし、シックハウスなんて関係ないぜ」ですか。

そんなあなたにこそ読んでもらいたい内容だと確信しているので原稿を進めますね。

そう、涙ぐましい住活のおかげで持ち家に引っ越すんだ。そんなかたはもちろん、賃貸派のかたにも他人事じゃないのがシックハウスなんです。春といえば引っ越しのシーズン。たとえば多くの場合、悪名高いビニールクロスが部屋であなたを待っています。

 

人間は、一生の約60%を自宅で過ごします。
日々報道される地球の環境問題はもちろんですが、室内の環境問題にも目を向けるべきではないでしょうか。住まいの教育=住育が必須です。

被害を受けるのは、あなたよりも、あなたの家族なのです。

赤ちゃん、出産後の妊婦、お年寄り。一日の大半を屋内で過ごします。弱い人ほど、空気の汚染で深刻なダメージを受けるのです。建築基準法をすべて守っても、シックハウスになる場合がある。わたしはそう思っています。

 

2003年、建築基準法が改正。24時間換気が義務づけられました。根本的な解決からほど遠い小手先の対応です。シックハウスの原因となる物質を究明し、根絶すること。これが本来あるべき姿ではないでしょうか。利権。圧力。料亭。そういったシーンが脳裏をよぎります。ほんとうに建築基準法は「改正」されたのでしょうか。正しく改められたのでしょうか(遠い目)。

 

「F☆☆☆☆(Fの四つ星)だから安心です」。もし営業マンや工務店の人々が、こう明言しても信用するのは危険です。
F☆☆☆☆。一定の基準を満たしていることは認めます。しかし、F☆☆☆☆建材の使用量に応じて、ホルムアルデヒドの揮発する総量は増えてゆきます。実際に寝起きする部屋の空気の成分はどうなのか。不安な人は検査するべきです。さらに、「F☆☆☆☆」のFとはホルムアルデヒド(Formaldehyde)のF。シックハウスの原因と目される化学物質には、じつにさまざまな種類があります。ホルムアルデヒドだけで議論を終始させるのは幼稚な詭弁です。現在、規制されている化学物質は、たった13種類。ザルをすりぬける大量の化学物質。

 

ふだん生活者の目に触れない場所にも、アブナい物質がたくさん隠蔽されています。たとえば床下。現在は全面使用禁止になったクロルピリホス。こんな記述があります。

「一九八六年以後、シロアリ駆除剤としてクロルデンに代わって使われるようになったのは、おもにクロルピリホスなどの有機リン系殺虫剤である。以前話題になったサリンも、この有機リン系化学物質の一種である」(『天然素材でつくる健康住宅』中野博著/日本実業出版社)。

クロルピリホス全面使用禁止。よかったよかった。いや待てよ。恐ろしいのは全面使用禁止の化学物質が、かつて堂々と床下に使用されていたということ。完全防備。ガスマスク。化学兵器。悪夢のような連想が広がります。

 

さらに生活者みずからがシックハウスを作り上げてしまう現実。

ホルムアルデヒドなどの化学物質は、さまざまなアイテムから揮発しています。家具、オモチャ、本、新聞、衣類。防虫剤や芳香剤は化学物質のカタマリです。あるいは食品に含まれる大量の添加物。衣食住。あらゆるシーンで化学物質に覆われています。呼吸器から取り入れます。皮膚呼吸で取り入れます。消化器から取り入れます。

 

【シックハウスを防ぐ6か条】

1.いますぐ窓を開けて換気。

2.化学物質を減らしましょう。衣食住すべてのシーンで。

3.化学物質を含んだモノを、なるべく買わないようにしましょう。

4.ヘタなリフォーム工事はやめましょう。

5.建材や家具などは、家族の五感でチェックして。

6.もしシックハウスになったらベイクアウトという手もあります。部屋を閉めて暖房器具をつけ、温度を上げて化学物質を揮発させ、一気に窓を開ける方法。

 

ホントはウソより恐ろしい。こんな話も聞きました。

じつは、不動産業界の人々の多くは必ずしも建築の知識を持っているわけじゃありません。そして、さほど建築に興味があるわけじゃないという現実です。つまり、土地建物を売買・仲介している人々は、建設・住宅・設備などには、くわしくない場合が多いのです。
新築でも中古でも、仲介会社の営業マンの多くは、たとえば部屋で扱っている素材などに関心がないなんて話も聞きました。
ですから、シックハウス対処法の1つとしては、以下のような自衛手段もあります。新築の場合、仲介がいたら、売主から直接話を聞きたいと伝えましょう。中古物件の場合には、リフォーム会社のかたを同席させるのもよいでしょう。

 

最後に、自然素材を盲信する危険性も指摘しましょう。

無垢の木材からも、人体に刺激を与える物質が揮発しているケースもあります。アレルギーの起こりやすい化学物質だってあります。「自然」は人間のために存在しているわけではありません。フグを食べて死ぬ。コブラに咬まれて命を落とす。自然の物質が体内に入った悲劇。オイルフィニッシュに使用するオイルでアレルギーが出る人もいます。花粉症だってそうです。
たとえばリフォームする際などは、専門家と称する人の言葉をうのみにせず、ニオイをかいだり、触ったり、家族の五感でチェックすべきでしょう。個人差のある問題なのです。

竹島靖

竹島靖

コピーライター・住育研究家

高知県生まれ東京都在住。引っ越し19回。 【著作】『住育のすすめ』(角川SSC新書)、『危ない「住活」』(竹書房新書)など。 【受賞】宣伝会議賞=金賞・銀賞・銅賞・入賞5点。ユーモア 広告大賞=優秀賞2点・入賞3点。毎日広告デザイン賞=優秀賞・部門賞。 【趣味】映画、読書、 音楽鑑賞、食べ歩き、旅行、温泉。 【PV】宣伝会議賞のとりかた https://www.youtube.com/watch?v=e09_4Q7Ctn8 住育ビデオ https://www.youtube.com/watch?v=p9PgJgJ9qAE