
人と人をつなげるときに気をつけるべきこと
こんにちは。『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』著者の金澤悦子です。このコラムでは、これまで10000人以上のビジネスパーソンに取材などでお会いした経験から、成功している人たちがやっている、人生を変える人脈づくりのほんのささやかなコツをご紹介しています。
自他ともに認める姉御肌。頼られると俄然やる気スイッチが入るという性質です。
つまり、元来のお節介焼き。
私の人脈づくりは、“私の大事な仲間たちのため”にしているようなものです。日頃から、様々な「こんな人いない?」に奔走しています。それこそ、あるネタでコラムを書きたいと思っていた友人に編集者を紹介したら連載が決まった、なんていうものから、婚活中の男女を引き合わせてゴールイン!といったものまで、幅広いジャンルでお見合いを展開しております。
夫やビジネスパートナーからは「ほんとよくやるよね・・・」と呆れられておりますが(笑)やらずにはいられないのです。これが素質というもの。
そして、「お見合いババア」であることが、私の人脈づくりのベースにもなっています。
人と人とをつなげる、いわゆる「ハブ」になっていると、カナザワの周りには「おもしろそうなやつがいる」と思ってもらえるらしく、楽しそうな会に誘ってもらえます。こうして、交流会で名刺を大量に配らずとも、素晴らしい方々とお会いする機会に恵まれてきました。
また、お見合いがうまくいけばもちろんですが、たとえお見合いはうまくいかなくても、双方から感謝されることが多いのです。仕事では条件が合わなかったけれど、実は趣味などで共通点があったと言って、ご縁がつながるケースも少なくありません。
私は人から頼られるのが趣味なので、恩を売るためにやっているわけではありませんが、人から嫌われるよりは、「ありがとう」と思われている方が、何かと生きやすいものです。ここぞ!というときに動いてくださるのは、こういう方々だったりします。
しかし、これまでは、頼られれば誰彼問わず動いていた私ですが、最近、少し考え方が変わってきました。
それは、「本当に大切にしたい人は誰か?」ということをあらためて考える機会に恵まれたことです。
Aさんは事業で失敗して借金があり、子どもが産まれたばかりで、すぐにでも再就職をしなければなりませんでした。彼とは直接知り合いではありませんでしたが、彼の奥さんとは面識があり、相談を受けたのです。
これは急がなければ!と、早速心当たりのある古い友人に紹介したところ、彼が役員を務める会社に採用となりました。これで安心して子育てもできると、自分のことのように安堵したものです。
しかし、それから数カ月経ったころ、プライベートで友人に会ったとき、Aさんが再就職した会社を退職していたことを知りました。
会社を退職したのは、それなりのご事情もあったのでしょう。(決してブラック企業などではありません)ただ、どうやら勤務態度もよろしくなかったらしいのです。そういわれてみれば、彼とは数回合っただけで、人当たりはとてもよかったですが、それ以上のこと、たとえば彼の働きぶりなどを私は知りませんでした。
過去にも、大事な友人に人を紹介したことで、トラブルとなったケースはありました。その共通点を探っていくと、とどのつまり、「よく知らない相手」であることに気づいたのです。
守るべきは、誰か?それは間違いなく、信頼する大切な友人たちです。まだ信頼関係の築けていない人を紹介することは、実はとても無責任な行動であり、私にとってかけがえのない人脈を守れるのも、私自身であることをあらためて痛感しました。
とはいえ、会って間もない相手でも、一気に信頼関係が築ける人もいます。時間じゃないのです。その違いは、相互援助できるかどうかではないかと私は思います。
お互いに与え合うこと。与えると言っても、目に見えるものだけでなく、相手を「うれしい」「楽しい」といった気持ちにさせることでいい。お互いに与え合うことで、お互いの人生が豊かになっていくのです。
「giver」にgiveする。これが、大切な人脈を守るためのルールです。