2016.08.03

健康
あなたの呼吸、身体の隅々に届いてますか?「ピラティス呼吸」を生活に取り入れよう

呼吸法をマスターすれば日々の心がけで身体の変化が実感できる

日常生活で仕事に追われていると、どうしても「やるべきこと」がいつも優先されてしまいがち。デスクワーク、商談や打ち合わせ、家に帰って明日の準備……と、どんどんタスクが押し寄せてきますよね。気づいたときには呼吸が浅くなって、身体に十分な酸素が行き届いていなくなっているかもしれません。その状態が続くと、姿勢はどんどん悪くなってかっこ悪い猫背になっていたり、運動不足なったりとダブルパンチでお腹はプヨプヨ。

 

確かに、時間がなかなか取れずにジムにワークアウトなんてとても行けないという方、いると思います。そんなあなたに最低限心がけてほしいこと。それは「呼吸」です。呼吸は、人間の身体活動においてしっかりとやるべきことなんです。

 

「○○ブレスダイエット」などのように、呼吸をすることで痩せるというのは一時期とても流行しましたが、ここではピラティスで行う「ピラティス呼吸」をご紹介します。もちろん、ピラティスのエクササイズの中だけでなく、身体のバランスを整えたり再確認したりするときにも取り入れられるものなので、忙しいとき、業務に追われているとき、自分のペースを失いかけているときなどにもぜひやってみてほしいエクササイズです。いま、この場所でやってみませんか。

吐く息はお腹の隅々から空気を押し出そう

呼吸はまず「吐く」ところからです。息を吐くときに何となく胸や肩あたりだけでため息のように出していませんか。ピラティスでは吐く息を強く押し出すことで腹部のインナーマッスルを収縮させてエクササイズを行います。

 

軽く鼻から息を吸って、「これ以上出せない」と思うところまで口から息を吐いてみてください。ちょうど風船を膨らましているのと同じようなイメージです。そのまま苦しくても吐き続けていると、下っ腹までお腹が凹んで収縮しているのがわかります。これは「腹横筋」という腹筋のインナーマッスルで、骨盤ベルトのような役割をする筋肉なので体幹を安定させてくれます。この筋肉を使うところまでだいたい7~10秒近く続けて吐いてみましょう。

吸う息は胸郭いっぱいに大きく入れよう

次に、息の吸い方です。たいてい運動不足の人やデスクワークで肩がすくんでいる人は、「肩呼吸」といって肩の上下運動を使って呼吸をしてしまう傾向にあります。ピラティスは「胸郭呼吸」といって胸郭が大きく膨らみながら息を吸うことが望ましいとされています。

 

自分の胸の下、肋骨を覆うように左右の手で抱えてみましょう。息を吸った時にその肋骨が左右に広がるようであれば、きちんと胸郭呼吸ができています。逆に、まったく動いていなかったり、肩が上がり下がりしたりしまっている場合は、肋骨の周りの筋肉に柔軟性がなく、体幹全体の筋肉をまんべんなく使えていないのかもしれません。横に広がる意識を持つだけで、意外と簡単にできるものなので、普段の癖を修正する意味も含めて息の吸い方を変えてみましょう。

パワーハウスを意識して

Bogna Sarosiek-Groenendaal「Pilates for Cyclists」P17

 

パワーハウス(The Power House)とは、横隔膜、腹筋、背筋、骨盤底筋群で囲まれた立方体のエリアのことを言います。体幹部を支える重要な筋肉たちで、皆さんの日常生活の動作を安定させてくれるのに一躍担っています。パワーハウスがしっかりしていない人は、呼吸も浅く機能的に体が動かせなくなっていきます。普段からお腹のなかにこの「立方体」が入っていると思って、呼吸とともにこれが広がったり縮んで押し込まれたりするイメージを持ちましょう。

 

いかがでしたか。少し専門的な内容も含まれていますが、この呼吸をマスターするだけで、運動をする時間が取れなくても最低限身体のバランスは維持できます。人間は1分間でも15回程度呼吸をしていると言われていますので、こんな貴重なエクササイズを逃す手はありません。ちょっとしたことの心がけで身体が変わるのをぜひ実感してみましょう。

井上かなえ

井上かなえ

アスレティックトレーナー、PHIピラティスインストラクター

東海大学体育学部卒業、アメリカネブラスカ大学オマハ校大学院アスレティックトレーニングプログラム修了。NATA公認アスレティックトレーナー(ATC)、PHIピラティスインストラクター。 高いパフォーマンスを要求されるビジネスマンも、アスリートと同じコンディショニングを取り入れてより快適な身体とライフスタイルを手に入れられるはず。簡単なトレーニングやメンテナンス、食事などのノウハウをお届けします。