2016.10.04

健康
NO RUN NO LIFE

ランニングは人生をアップグレードするためのツールだ

走ることは体にいい。走ることは心にもいい。実際に走った後は気持ちがいい。「また走ろう!」と思う。でも、なぜ長続きしないのでしょうか?それは、脳のせいだと言われています。遥か昔、人は生きるのに精一杯でした。食べるか死ぬかという境界線上を生きてきた我々の祖先は、獲物を得るために命をかけて走っていたわけです。だからこそ、それ以外の時は無駄にエネルギーを消費せずに休息することが、生き延びるための戦略でした。そこで、脳は「休める時は休め」という指令を出すのだそうです。200万年経った現在でも、人間はほとんど進化していません。つまり、現代の我々の脳も「休める時は休め」と指令を出し続けているのです。

 

しかし、現在の人間の事情は大きく異なっています。飽食、運動不足、命をかけて走る必要など誰一人感じていない状況です。走れば、痩せる、成人病のリスクだって減る、頭も冴えると判っているのに……。

 

生き残るための重要な戦略であった「休める時は休め」の指令に打ち勝つには、もっと大きな、言ってみれば大義のようなもので、自分自身を洗脳するしかありません。そのための考え方は一つではありません。

 

「仲間と走るのが楽しい」なら、クラブに入会するのがいいでしょう。自称グルメの方なら、沢庵和尚の「空腹に勝る御馳走はなし」を体現するために、毎日走ってみるとか。負けず嫌いな人なら記録を目指してください。「GPSウォッチを買って記録をつけ始めたら面白くなって、ランニングにはまった」という方もいらっしゃいます。

 

数あるモチベーションアップのための考え方で、一番のお勧めは、ランニングを「自分自身と向き合う時間」と位置付けることです。最もベーシックな運動であるランニングですが、実はかなり奥深いです。走りながら自分の体はどういう風に動いているか、どんな風に呼吸しているか、など、自分の体に注意を向けてみてください。いかに自分が自分の動きを把握していなかったかということに気づくはずです。そこで、自分の体について少しずつでも「気づき」が芽生えてくればしめたもの。単調なコースでも苦になりません。

 

また、自分の心と向き合う時間としても、ランニングは最適です。走っているとだんだん頭が冴えてきます。そこで「これまでの自分」「今の自分」「これからの自分」のことを考えてみてください。だんだんと思考がポジティブになってくるはずです。

 

ランニングを「自分と向き合う時間」体も心も研ぎ澄まされ、日々の暮らしが意欲に満ちたものになります。ランニングを人生をアップグレードするためのツールとして、末長くお楽しみください。

綾小路浩二

綾小路浩二

スポーツ系エディター

スポーツ系雑誌の編集長として15年のキャリアを持ち、書籍や映像、ウェブサイトなどのディレクションも行う。スポーツは観戦よりも実行派のプレイングエディター。グッズやテクニックに関心が高く、まずは格好から。また、テクニックを極めるためのボディワークにも興味津々。