日本の和と空間演出テクノロジーの融合

古臭い思考の演奏家が最新の舞台演出技術とどう混ざり合うのだろうか・・・

音楽は十二平均律で整然と調律されたピアノなどの完成された楽器で、洗練され隆盛してきた歴史がある。これに相対し、薩摩琵琶は「ゆらぎ」や「うねり」が多く発生する楽器。人間の声もそうである。これらの楽器(声)の取り扱いは難儀であるが、それだから楽しいとも言えます。

 

今私は音楽を奏で聴くということに対して、原点回帰しているのかもしれない。音楽は自分と「死後の世界」「未知の世界」との交信であり、大自然への祈りである。そんな古臭い思考の演奏家が最新の舞台演出技術とどう混ざり合うのだろう・・・

 

日本の和とテクノロジーをミックスさせた空間演出や3Dプロジェクションマッピングといったクリエイティブなプロダクトは、様々な化学反応を起こしている。
なんでもよいから伝統芸能に最新のテクノロジーを無闇矢鱈と活用すればよいとは決して思いませんが、オーディエンス(観衆)の感性を刺激し、その作品に対してダイレクトに感情移入出来る環境を整える意味では、テクノロジーを用いて融合することは重要であると考えます。
技術は日々進化していますが、古代から持っている感性は変わらない部分があるはずです。過去と未来のベストミックスが個性であり、その絶妙な、さじ加減がセンスであり優れたエンターテインメントなのであろうと思います。

 

舞台演出における最新のデジタルテクノロジーの効果としては、美しい陰影の演出効果、舞台・シーンの設定を容易に変えることが可能であり、snsなどスマホ世代の客層に対する情報発信、そして大道具、照明などコストの削減が挙げられるでしょう。
今後はスマホなどを使って、演者と観衆の双方向な演出が増え、オーディエンスの参加性が高まる作品が増えていくと思います。

 

空間をインタラクティブに共有する。その瞬間のエネルギーをパッケージ化し、収録することが今後、私の目指す所なのかもしれない。静と動、陰と陽、緊張と緩和、伝統と革新、過去と未来の絶妙なバランスを探りたい。

鎌田薫水(カマダ クンスイ)

鎌田薫水(カマダ クンスイ)

薩摩琵琶奏者

藍綬褒章授章者である雨宮 国風に詩吟を師事。 田中井 琇水に薩摩琵琶を師事。二代目薫水を襲名。 大久保利通公135回忌慰霊祭奉納。 大山阿夫利神社 磐長姫鎮座祭式奉納。 大和市文化芸術賞賜。日本琵琶楽コンクール優勝。 文部科学大臣奨励賞・NHK会長賞受賞賜。 日本コロムビア全国吟詠コンクール優勝。 上海万博日本館演奏。国立劇場出演等。 GOODLOVIN’としてソニーレコードからデビュー。 CHEMISTRYさんに楽曲提供そしてLIVEツアー参加