共働き希望の男性は増えている!?

働く女性のために共働き応援「婚活サービス」を立ち上げたら、実は男性側のニーズが高かった件

2016年11月、共働き志向の働く女性のための婚活サービス「キャリ婚」を立ち上げた。おそらく業界初の試みとなる、女性が有料で男性が無料というサービスである。

 

ことの発端は2年前からやっている働く女性向けの婚活セミナー。半年かけて自らの幸せを「自分で選びとる」女性へと成長した受講生たちが、出会いの場の一つとして婚活サイトを利用すると、そこには遊び目的の男性(既婚も!)がうじゃうじゃいて、時間を無駄にしてしまうケースが後を絶たなかったのだ。

 

さらに結婚相談所では、キャリア女性は仕事や年収を低く見せるように言われるという。それでは仕事を続けたい女性にとって理想のパートナーとの出会いは絶望的。かくして「結婚をマジメに考える独身男性」「共働きを希望している男性」が登録しているサービスを立ち上げることになったのである。

 

男性会員は無料登録できる。しかし、我々運営側との面談が必須である。その面接で、共働きを希望する男性は案外多いということに、正直私は驚いた。サービスを立ち上げておきながら、矛盾している話ではあるが。しかも、彼らはこう言うのである。「目的を持って頑張る女性が好きだ」と。「専業主婦の意味がわからない」とも。

 

断っておくが、キャリア女性の年収をあてにするような男性はほとんどやってこない。むしろ、平均年収よりも高い男性が多いのである。なぜかといえば、彼らもまた、一般の婚活市場に出てしまうと、逆に年収狙いの専業主婦志向女子たちが群がってきてしまうというのだ。

 

私たち面接官は「共働き=家事の分担もある、ということはわかっているのか」というような質問もする。ある登録者は、「相手が働いているから自分も家事を分担するというのがそもそもおかしい。家族の役割として相手の身分がどうであれ、家事はするものだと思っている」とのたまった。

 

もちろん、大多数でないことは百も承知であるが、時代は確実に変わってきていると感じていた。

 

しかし、である。
先日、小1の息子に「家の人が何をしているかを観察しよう」という宿題が出た。母である私を観察することにした彼が何を書いたのかを見ると、「朝ごはんを作る」と書いてある。朝ごはんは作っていないのに。正確に言うと、たまたまその日の朝は夫が大阪出張に出ていたために作ったのだが、普段、我が家の朝ごはん作りは夫の担当だ。

 

「ママは朝ごはん作ってないよね」というと、「今日はママが作ったじゃん」という。「でも、これは普段していることを書くんでしょ。いつもはパパじゃない」と言っても、「今日はママだったからママでいいの!」と言い張る。

我が家のような環境で育っていても、「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」を理想とする姿がそこにはあった。もはや細胞に刷り込まれているレベルとしか言いようがない。

 

一体「キャリ婚」に登録を希望する男性たちに何が起こっているのか。

 

それで思い出したのが、象牙の密猟が原因でアフリカ象に牙が生えなくなっているという話。昔も2〜6%くらいの割合で牙を持たない象は生まれていたというが、ある地域では近頃98%ものメス象が牙なしで生まれてくるという。牙のために殺されるなら、いっそのこと牙を持たない姿へと進化してしまおうということだ。動物の順応性はすごい。

 

果たして日本の男性は、この先どのような進化を遂げるのだろうか。

金澤悦子

金澤悦子

はぴきゃりアカデミー代表

1991年株式会社リクルートに入社。営業に従事し、同年新人MVP賞を獲得。1994年株式会社キャリアデザインセンター設立にともない、転職。広告営業局次長、広報室長を経て、2001年『ワーキングウーマンtype(現ウーマンtype)』編集長就任。2005年働く女性のキャリアデザインをサポートする株式会社はぴきゃりを創業。新刊『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣(実務教育出版)」が好評発売中。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788911523/ninoya-22/ref=nosim/