男40代に忍び寄る「魔の時」対処法

不惑なんて嘘っぱち!40代特有の悩みや焦りを、どう乗り越えればいいのか。

SNSなどを拝見していると、誕生日を迎えて40代に突入した人の多くが「人生の折り返し地点」という言葉を使っています。人生80年だとしたならば丁度半分ということになるから当然なのだけれど、これが何というか、理屈では分かっているのだけど実感はないせいか、見かけるたびに「ああ、そうであった。」と重く再認識させられるのです。

 

人生がもう半分以下になってしまったという事。
その割には、この先も結構長そうだという事。
その時間間隔がどうにも腹落ちできていない。
そして、私に限らず「40にして迷わず」どころか迷いまくっている40代同胞は多いように感じます。

 

実際の所、泥沼不倫に走る者、唐突な離婚、不可解な転職、うつ病発症など、「あの安定人生を送っていたはずの○○さんが!」と、突然周囲をざわつかせ、心配を集めたりするのですから40代、侮れ難し「魔の時」。
男性の場合は厄年も40代に集中していますしね。泰然と「不惑」などと言っていられないのであります。孔子の嘘つきめ!

 

もしかしたら40代とはエアポケット的な期間なのかもしれません。
仕事でも責任のあるポジションについていて、家庭でも妻子を養い親の介護に向き合い始め、世間では良識のある大人として振る舞うは当たり前。

 

本当は、20代や30代の延長に今があるだけで、流れ流れてここに居て、気付いたら荷物を結構持っていた、っていうだけなんですけどね。
その荷物の重さが世間で言われるところの「幸せ」ってやつで、実際「幸せ」ではあるのだけれど、若い頃自分の人生に期待していたのは果たして、このようなストーリーであっただろうか?と。
人生をガラガラポンできない程に長くは生きてしまい、諦めて穏やかに暮らすには未だ時間が優にある。そんな悶々とした期間が40代であり、人生のエアポケット期なのではないでしょうか?

 

かく言う私も、40代に入って悶々と身もだえ、こんな時に「魔の時」がやってくるのではないかと不安に駆られた経験があります。

 

私の場合は、30代後半から不況の波にのまれて収入が途絶え、一家の大黒柱なのに仕事が全く安定せず、おまけに働く妊婦になって今度はおなかの子供の不安もプラス、という毎日を過ごしていた頃はなんの異常もありませんでした。
何かを獲得しようとやっきになっていたり、溺れている時は大丈夫だったのです。

 

ところが、何とか家族が食べて行けるようになって、生まれた次女の育児にも慣れてきた40歳の時、私の足元から何かが這い上がってくるような感覚がありました。

 

その得体のしれない物体の正体は、焦燥感だったのか、諦観だったのか。
息も絶え絶えに溺れていた頃は夢にまで見た岸辺。一時的とはいえ、あんなに夢見た「安定」を手に入れたというのに、岸辺に立ってみるとそこから見えたのは、遥か遠くで大きな山に登っている人達や、高いビルを作っている人達でした。

 

かつての私は、あんな大きな山に登りたくて努力していたのではなかったか?あんな高いビルを作りたくて起業したのではなかったのか?二人の娘の手を握り、「私はちゃんとやっている。親の務めを果たしているのだから。」と自分に何度言い聞かせても、山やビルは辿りつけない程遠く、更には美しく、私を圧倒するのでした。

 

そして、ついに私は、「人生は所詮こんなもの。」「もう20代の頃のようにチャレンジできない。」と山やビルを存在しない物として扱い、同時に自分のことを見限ってしまいます。ああ、でも未だ結構長いな、と自分の人生に飽き飽きしながら。

 

そんな時、友人の社長から「ぼくら社」という出版社を作るので手伝って、というオファーをもらいました。そこで、「ぼくら社の本」を売るために、週一でブログを書く事になるのですが、これが結構大変で(笑)本業も子育てもあるので、私がブログを書けるのは毎週土曜日の13:00〜16:00頃まで。遊んでくれと泣きわめく2歳児に炭水化物与えて良く眠らせ、毎週一本ボリューミーなコラムを仕上げる事は、当時の私にとってたいそうしんどい作業でした。毎日のようにブログネタを考える日々。それも、無報酬。おまけにどんなに書いても目的である本の販売につながらないのです。(結局、ぼくら社は活動停止に。)

 

今でもその1年半の間、「時は金なり」の我が信条を覆し、狂ったように書き続けた自分の、モチベーションの本当の正体は解りません。でも、結果的にそのブログが書籍になり、あれよあれよと対談や取材のオファーが舞い込み、そこから新規事業が生まれ、今までに出会わなかった面白い仲間が増え、私はまた自分の人生と再びがっつり向き合えるようになるのでした。

 

今思うと「助かった・・・。」としか言いようがありません。振り返れば、私はその当時、「岸に居るのに溺れている」という状態だったにもかかわらず、「これぞ大人の分別である。」と、溺れてることにすら無自覚だった訳です。背後に「魔の時」は、しれーっと忍び寄っていたのではないでしょうか?

 

同じように、40歳になってから大学院にチャレンジした友人、MBAを取った友人、長年経営してきた事業を売却して、全く新しい業態にチャレンジした友人達などが周囲におります。彼らにも足元から這い上がってくる何かが存在したのか否かは謎ですが、40代という年齢にも後押しされて「今だ!」と行動に移したのではないかと勝手に推測しております。

 

私のケースは行き当たりばったりでしたし、未だ山もビルも遠い存在ですが、もし「魔の時」を感じたり、人生に飽きたりしたら、破壊的行動ではなく「新たなチャレンジ」「やり残した事への再チャレンジ」はお奨めです。

 

40代―。

 

まだまだ私達の人生に、違う未来へと誘う「どこでもドア」は、存在しているようです。

川崎貴子

川崎貴子

リントス株式会社代表取締役

リントス株式会社代表取締役。1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社ジョヤンテを設立後、1万人を超える女性をフォローしてきた。「女性マネージメントのプロ」との異名を取る。メディア取材執筆多数。婚活結社「魔女のサバト」、共働き推奨 婚活サイト「キャリ婚」(https://carricon.jp 男性完全無料)主宰。 著書に『我がおっぱいに未練なし』(https://www.amazon.co.jp/dp/4479783997 大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(http://www.amazon.co.jp/dp/4584136335 ベストセラーズ)、『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』(https://www.amazon.co.jp/dp/4062729458 講談社) 、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(https://www.amazon.co.jp/dp/4862804829 総合法令出版)、『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』(http://www.amazon.co.jp/dp/447979493X 大和書房)、『上司の頭はまる見え。』(http://www.amazon.co.jp/dp/476319707X サンマーク出版)がある。ブログ「酒と泪と女と女」など連載も多数。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザー。