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相手に刺さる褒め言葉、相手を怒らせる褒め言葉

2017/01/26

金澤悦子

はぴきゃりアカデミー代表

金澤悦子

統計心理学を使った研修で社内外のコミュニケーションを支援

その褒め言葉、逆効果になっていませんか?

先日、学校から帰るなり息子が「ママ聞いて聞いて!」と興奮気味に駆け寄ってきた。学童でドッチボール大会だったので、優勝したとかそういう話かなと思いきや、「あのね、レオがね、すごかったんだよ!最後までボールに当たらずに残ったんだよ!ぼく、ずーっと応援してたから喉が痛くなっちゃったよ〜」

 

聞けば、自分は大会には参加せず、大の仲良しのレオくんの応援に回っていたらしい。この息子、空手をやっているのだが、少1の部で最軽量(要はガリガリww)で、組み手の試合ではいつも一撃で吹き飛ばされてしまうため、年末の試合には出たくないと言い出した。しかし、「試合には行きたい」と言う。「統計心理学i-color」で、彼と同じ素質を持つ私には理解できたが、夫は自分が出ない試合になぜ息子が行きたがるのか、さっぱりわからないという様子。「行って何するの?」と不思議がっていた。

 

生れながらに持つ素質を診断できるツール、「統計心理学i-color」では、息子や私は「人志向」と呼ばれるグループに属している。営業セミナーなどで、このグループに属している人たちに「仕事上で嬉しかった出来事」を尋ねると、「チームが褒められた時」などと答える人が多い。「世のため人のため」という価値観を持っているのが特徴である。

 

翻って、夫は「先生志向」と呼んでいるグループに属している。先生志向の人たちには「一目置かれたい」という価値観があり、注目を浴びることに喜びを感じる人が多い。先生志向の営業の方々に「仕事上で嬉しかった出来事」を聞くと、「大型受注!」と答える人が多いのはそのためである。

 

逆に、人志向の父親から「みんなのために頑張る」ことを強要されても、まったくピンとこない「先生志向」の野球少年のケース。一緒に頑張りたい父親に隠れて、今日も密かに練習するのである。努力している姿を決して人に見せず、ホームランを打ってみんなをあっと驚かせたい。これが彼のやる気の源泉なのである。

 

自分の結果にこだわるグループもいる。このグループを「結果志向」と呼んでおり、このタイプに「仕事上で嬉しかった出来事」を聞くと、V字回復できた出来事を挙げることが多い。営業で言えば、自分の所属する会社やサービスにマイナスイメージを持っている人が自分の提案によってやる気になったとしたら、もともとファンだった人から受注するよりも何倍も達成感が大きくなるというのがその理由らしい。

 

以前、「結果志向」のお客様から研修依頼をいただき、女性社員に向けて2度の研修をさせていただいた。研修終了時に受講生にアンケートを書いていただき、1度目のアンケート結果をもとに2度目の研修は少し改良を加えると、2度目の評価がさらにアップした。

 

その後、発注者である社長からわざわざ連絡をいただき、「いや〜1度目よりも2度目の結果が上がってさすがだね」とお褒めの言葉をいただいたのであるが、正直、ピンとこなかった(笑)。「人志向」を褒めるなら、数字上の結果だけではなく、どこに共感したのかといった、気持ちの部分を伝えることが必要だからである。

 

先日、「結果志向」の娘が「先生志向」の母親に「なわとびが30回跳べるようになったよ!」と喜び勇んで報告したときに、「そう、それなら50回も跳べるようになるわね」と声をかけたら不機嫌になってしまったと相談を受けた。「結果志向」は自分が立てた目標に対して、計画的にコツコツ頑張るタイプ。30回跳べたのに、「50回跳べるわね」という声かけは、フルマラソンでようやくゴールする瞬間に、ゴールテープを1キロ先に延長させられたようなものなのである。

 

何が言いたいかというと、よかれと思って声かけしても、自分と相手の素質が違えば逆効果になってしまうこともあるということ。自分が見ている世界がすべてだと思わないこと。相手に興味を持つこと。コミュニケーションはそこから始めるとうまくいく。

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