40代男性こそ大事な「死に支度」

もし、明日突然自分が死んでしまうとしたら、スマホや机の中に見られてまずいものはありませんか?

昨年末私は乳癌になり、右乳房を全摘出致しました。その顛末はこちら「女社長の乳癌日記vol.1」を是非に。

 

手術日が決まってからというもの、2週間もの入院予定だったためやることは吐きそうなほどたくさんあったのですが、私が真っ先に手を付けたのは「家探し」でした。乳癌と言う比較的ポピュラーな病気でも癌は癌。おまけに強い麻酔をして手術をする訳ですから、「万が一」が無い訳でもない。私が死んでしまった時、家族が私の遺品を整理する際、見つかったら不都合な物がないかどうかを私は鬼の形相で一心不乱に探しました。そうしたら、ありましたよ。20代の頃に長く付き合っていた彼との頬を寄せ合うラブラブ写真が!!!それも、古い本に挟まってやがった!!!

 

どう見ても大昔の写真だし、いやらしい写真という訳でも、わざわざとっておいた風でも無いけれど、私の死後に夫が見つけたらやっぱり面白くないだろうし、娘たちが見たら「キモい」と言われる程度の破壊力はある、それはそんな代物でございました。そして、写真を処分しながら「これで心置きなく手術に臨める。」とほっとしたものです。

 

何をそんなに!とお思いかもしれませんが、私の周囲には両親のどちらかが早く亡くなって悲しんでいたのもつかの間、遺品を見たら家族に激震が!というエピソードを持つ者が多いのです。特に、「お父さんが早死に」のケースに香ばしいノンフィクションが多数報告されております。

 

私の友人男性Sも学生の頃に父親を亡くしていますが、当時末期癌だった父の病室に「一人で来てくれ。」と呼び出されたそうです。そして、「お前を男と見込んで頼みがある。他の家族には内緒で、蔵の中にある木彫りの箱を焼いて処分してくれ。」と、手を握られて頼まれたらしいのです。が、Sは父の末期癌を知らされていなかったためにすぐに業務遂行をせず、すっかり忘れて過ごしていたらお父様が亡くなってしまい、そのパンドラの箱は遺品整理していたお母さんの手によって開けられることとなりました。

 

箱から出てきたのはお父様の大量の不倫の証拠。それもお相手は、たまに家に皆で遊びに来ていた部下の一人。彼女との旅行写真、二人で行ったゴルフの写真、デートの写真・・・が出るわ出るわ。ご丁寧に社内で二人がやり取りしたしたであろう「今日、19時に〇〇で待ってます。」みたいなメモまで取っておいてあったそうな。悲しみに暮れていたお母様は一変、その後何年もお父様を恨んで、彼も呪詛を聞かされ続けて大変だったそうです。

 

また、私の後輩女性Hもお父様が55歳の若さで突然死してしまったのですが、父親のパソコンを譲り受けようといじっていて、中からびっくりするぐらい大量の「全身タイツの女性の写真」を見つけてしまったそうです。それも全て顔まで覆われているラバー素材の本格的なもの。「父という人の深淵をのぞき込んでしまった罪悪感」と、「意味が解らな過ぎて消化できない思い」と、「男の人って・・・何なの?」を未だに抱えていると彼女は言っていました。

 

他にも父の死後、仕事場の机からバイアグラ(息子が発見)、変態モノDVD(娘が発見)、ラブホテルの会員カード(妻が発見)と、早死にすると思わなかったお父様たちのエピソードは枚挙に暇なく、「あああ!それは開けちゃダメーーー!!」と、草葉の陰からプリーズ!と叫ぶ、涙目の故お父様達が見えるかのようです。

 

人は、順調に老いて行けば身辺整理はしていくものですが、まだまだ先は長いと思っている我々世代こそが一番危険です。自分の寿命は誰にもわかりませんし、何事も終わりよければすべて良しです。明日死んでもいいように、常に周囲に愛と感謝伝え、身辺整理をちゃんとしておく事も40’s Lifeな男の嗜みかと。

川崎貴子

川崎貴子

リントス株式会社代表取締役

リントス株式会社代表取締役。1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社ジョヤンテを設立後、1万人を超える女性をフォローしてきた。「女性マネージメントのプロ」との異名を取る。メディア取材執筆多数。婚活結社「魔女のサバト」、共働き推奨 婚活サイト「キャリ婚」(https://carricon.jp 男性完全無料)主宰。 著書に『我がおっぱいに未練なし』(https://www.amazon.co.jp/dp/4479783997 大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(http://www.amazon.co.jp/dp/4584136335 ベストセラーズ)、『モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談』(https://www.amazon.co.jp/dp/4062729458 講談社) 、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(https://www.amazon.co.jp/dp/4862804829 総合法令出版)、『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』(http://www.amazon.co.jp/dp/447979493X 大和書房)、『上司の頭はまる見え。』(http://www.amazon.co.jp/dp/476319707X サンマーク出版)がある。ブログ「酒と泪と女と女」など連載も多数。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザー。