ランナーのバイブル『BORN TO RUN』に続く最新作がついに発売

人類は走るために生まれた、と教えられてから5年 今回のテーマは人間としてのナチュラルムーブメント

あるランナーは、二日に一度、ほんの2~3マイル走る程度でしたが、ランニング中の大半を痛みと戦っていました。シリアスランナーではないのに故障ばかり。医者に行けば「人間は走るのが得意ではないのです」と言われる始末。しかし、靴とは呼べないほど粗末なサンダルを履き、文明とは程遠い秘境で暮らす原住民が何百キロ走っても怪我一つしないのはなぜだろうか? こんな素朴な疑問からメキシコの奥地、コッパーキャニオンでひそかに暮らすタラウマラ族の走りの秘密に迫っていきます。

 

彼の名はクリストファー・マクドゥーガル。全世界で300万部のベストセラー『BORN TO RUN 走るために生まれた』(NHK出版)の著者です。当初、「人は走るのが苦手」と医師から説明を受けたマクドゥーガルは、ついに「人間が最も得意なのは、超長距離走。人は地球上のどの生物よりも優れたランナーである」という真実にたどり着きます。そして、誰も知らない秘密の大会(今では有名になりましたが)、アメリカ最強のウルトラランナー対タラウマラ族の開催に巻き込まれることになったのです。

 

物語は、人類最強の走る民族、タラウマラ族の秘密に迫ることに始まり、近代的なランニングシューズの問題点、人類が進化過程で手に入れた走る能力の偉大さなど、多岐にわたります。読めば読むほど我々人間は長い距離を走るために設計された生き物であるという証拠が出てきます。

 

『BORN TO RUN』の日本語版が発売されたのは2010年、たちまちランナー達のバイブルになったばかりではなく、走っていない読者までもランナーに変えてしまうパワーを持っていました。あれから5年たった今でも雑誌「Tarzan」No674(マガジンウス)では「ターザンの聖書」とまで言われています。

 

そして、2015年8月、待ちに待ったマクドゥーガルの最新作『ナチュラル・ボーン・ヒーローズ 人類が失った”野生”のスキルをめぐる冒険』(NHK出版)が発売されました。今回はランニングにとどまらず、ナチュラルムーブメントというもっと大きな話になります。クレタの人々や古代ギリシャの英雄達の狩猟採集民のような食生活、古代オリンピックのパンクラティオン、中国の詠春拳、20世紀初頭のナチュラルメソッド、そして現代のパルクールやボックス。人類は真のアスリート! 我々の可能性は無限だと思わせてくれる内容です。人間として生まれたことに誇りを持てると共に、人間の可能性を追求してみたくなる一冊です。

ナチュラル・ボーン・ヒーローズ
人類が失った”野生”のスキルをめぐる冒険
■判型/四六判
■ページ数/464ページ
■定価/2,160円 (本体2,000円)
■発売日/2015年8月28日 発売
■ISBN978-4-14-081684-4
■NHK出版 https://www.nhk-book.co.jp/

綾小路浩二

綾小路浩二

スポーツ系エディター

スポーツ系雑誌の編集長として15年のキャリアを持ち、書籍や映像、ウェブサイトなどのディレクションも行う。スポーツは観戦よりも実行派のプレイングエディター。グッズやテクニックに関心が高く、まずは格好から。また、テクニックを極めるためのボディワークにも興味津々。