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ジャズに見つける「大人のカッコ良さ」とは?

2017/08/23

渡部 晋也

舞台写真家、音楽ライター

渡部 晋也

ジャズから中南米やハワイの音楽。さらに日本の伝統音楽まで幅…

クールに、時にホットに。そんなミドル・エイジになるために。

この連載で常々書いているけれど、ジャズというのはカッコ良くなくてはいけない音楽だ。言い換えれば常にカッコイイ音楽として歴史を刻んできたといってもいいだろう。いろいろと選択肢が増えた 現代ではちょっとかすみがちだけれども、かつては音楽としてだけでなく、ファッションアイコンとしても先頭を走ってきた。それが「ジャズ」だ。

 

のカッコ良さはロックが持っている反抗心や汗臭さとも、クラシックが誇るエレガントや壮大さとも違う。クールに決めていながら、いざアドリブともなれば猛烈なパッションで勝負に出る。シリアスとヴァイオレンスが同居しているといってもいいかもしれない。それはまた、ある種のダンディズムに通じているといってもいいだろう。

 

往年のジャズ・ジャイアンツ達の演奏を聴いたり、ポートレートを眺めていると、そんなジャズのカッコ良さを感じることができるのだが、現役でもジャズのカッコ良さを身につけたプレイヤーは沢山活躍している。その中でも飛切りのカッコ良さとダンディさを振りまくジャズメンをご紹介したい。国際的にも知られる名クラリネットプレイヤー、北村英治だ。

ジャズ・クラリネットの洒落男。北村英治

北村といえば日本ジャズ界の重鎮。もうだいぶ前になるけれど、人気番組だった「おもいっきりTV」のコメンテーターとして出演していた時期もあるから、北村のことをジャズメンだとは思っていない人もいるかも知れない。ジャズメンだと解っていても、もう高齢だから精力的な演奏活動は休まれているなんて思っている人もいるようだが、それは大きな間違い。先日米寿記念コンサートをおこなった北村はバリバリの現役プレイヤーで、定期的に東京、大阪などのライブハウスに出演する他、国内外のコンサートやフェスティバルに参加しているジャズ・クラリネット・プレイヤーなのだ。

 

それでも「おじいちゃんだからそれなりの演奏でしょ」などと思っている方は、是非北村のステージに足を運んで欲しい。本人も「もうジジィだからねえ」などといいながらクラリネットをかまえるのだけど、いざ演奏を始めると、その音色の艶っぽさ、そしてアドリブの多彩さにビックリするはずだ。そして落語家も舌を巻く洒脱な話術。そして何ともいえない洒落男のオーラ。まさにジャズのカッコ良さ、ダンディさを体現する存在なのだ。

例えばステージでの出立ちにも、それは現れている。北村はどんなステージでも必ずスーツにネクタイで登場する。「やっぱりお客さんの前に出るときはピシッとしていないとね。汚いジャズメンなんて格好良くない」と事もなげにいうが、これこそジャズメンの矜持ともいえる部分だろう。

「ジャズなら素敵に口説けるさ」

そんな北村に、改めてジャズのカッコ良さは何かを尋ねてみた。すると「この齢になるとね、そんな面倒くさいこと考えないんだけど(笑)。でも女性を口説くにはいいかもね。どうしても言葉で口説こうとするといやらしくなるけど、ジャズならいい演奏で口説けるからね」脱帽です。まさに一流ジャズメンであり、人生の先輩だからこその言葉だろう。

 

ジャズが魅せつけるカッコ良さ。そしてそこからにじみ出るダンディさ。40代を超えたなら、さらにいい大人になるためにそういったものをドンドン採り入れていくべきだと思う。是非、北村のクラリネットを聴きに銀座のジャズクラブに出かけてみたい

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