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100年間に生まれた、様々なスタイルのジャズについて

2017/10/21

渡部 晋也

舞台写真家、音楽ライター

渡部 晋也

ジャズから中南米やハワイの音楽。さらに日本の伝統音楽まで幅…

一口にジャズと言ってもいろいろなスタイルがある。でもそれがどうにもわかりにくい。

「いろいろあるけど、結局よくわかんないのよ」彼女は手にしたスターバックスのフラペチーノを少し乱暴にかき回してそういった。「テーマパークで演奏しているにぎやかなバンドも、この前連れて行ってくれたジャズクラブで聴いた格好いいのも。あとエレキギターとかが入ったロックみたいなのも、みーんなジャズだっていうんでしょ。いったいどれが本当のジャズよ!」えー、どれも本物だと思います(……)。

やれやれ、彼女をジャズファンにするのはなかなかハードルが高そうだ

今年がジャズ100年の節目に当たることは先日お伝えした。正確には初めてのレコーディングから100年だから、音楽自体の歴史はもっと長い。その間に数多の演奏家たちは次々と新しいスタイルを生み出してきたのだけど、今となってみるとそれが逆にジャズをとっつきにくくしている原因にもなっていないか。

 

そんなことを思っていたら、いろいろなジャズのスタイルをうまいことまとめた動画を見つけたので、今回はそれを紹介したい。おなじみの「聖者の行進」をニューオリンズで生まれたスタイルから ビバップ、モード、フリージャズ、フュージョン、ラテンジャズと6つのスタイルで演奏している。 まずはこちらをご覧いただこう。

テーマは基本的に同じメロディだが、まずバックの演奏スタイルが異なっていることに注目してほしい。さらにアドリブパートにはいると、それぞれのスタイルが持っている特徴をうまく表現して演奏している。こんな器用な演奏を披露するのはトロンボーン奏者の中路英明。かつてはグラミー賞にノミネートされたことがあるオルケスタ・デ・ラ・ルスで活躍し、現在でも熱帯ジャズ楽団をはじめとして 数多くのセッションやビッグバンドに参加するほか、自己のグループ“オバタラ・セグンド”でも精力的な活動を展開している。さらにコンポーザー、アレンジャーとしての評価も高く、ブラスバンドの中高生にとっても憧れのプレイヤーでもある。

結局、中路はこの1曲で「聖者の行進」のテーマを12回吹くことになったそうだ。こんなことを冗談めかしてさらりとやってのけるのも中路ならでは。興味がわいたら是非彼が率いるオバタラ・セグンドや、数ある彼のセッションに出かけてみてほしい。

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