
日本のビジネスパーソンは、睡眠の質が低いと言われています。
特に、中間管理職を任されやすい40代男性は、上司と部下の板挟みによってストレスがたまり、その影響で睡眠時間や質が低下しがち。
そこで今回は、睡眠不足の怖さや睡眠の質を高めるためのポイント、日中に効率的に眠気を取る方法についてご紹介します。
全世代の中で、最も睡眠時間が短く満足度も低い40代

厚生労働省が実施した、20代から70代までの各年代の1日あたりの平均睡眠時間に関する調査では、「40代男性の半数近くが1日平均6時間未満しか眠れていない」ことが判明しています。また、全年代の中で「40代が最も平均睡眠時間が短い」というデータも。
さらに、同調査の「ここ1カ月間であなたは睡眠で十分な休養が取れていますか?」という質問に対して、
約3割の40代が「あまり取れていない」または「まったく取れていない」と回答。世代別に見ると40代が最も高くなっています。
仕事への悪影響、健康被害……睡眠不足の怖さとは

睡眠不足で慢性的に疲れている・日中に眠いというのは、それだけでもつらいもの。
しかし、睡眠不足による弊害は、実はもっと深刻です。
注意力が散漫になったり生産性が低下したりして、「業務スピードの低下・報連相のヌケモレ」など、仕事にさまざまな支障をもたらします。さらに長期的視点で見れば、睡眠不足は生活習慣病につながる危険性もはらんでいるといわれています。
睡眠の”質”を向上させる3つの方法

【寝室環境】光と音をできるだけ遮って、眠りやすい環境づくりを
良い睡眠をとるためには、寝室環境を整えることが大切です。
光を浴びると脳が活性化して入眠しづらくなるので、電気を消して外光はカーテンで遮断しましょう。また、眠るときはできるだけ無音状態に。音楽やテレビの音がないと眠りにつけないという方は、タイマー設定で入眠後は無音になるように調整しましょう。入眠後も音が鳴り続けると、睡眠の質を低下させる恐れがあります。
【寝具】季節・室温に応じた、眠りやすい寝具を
睡眠中は、発汗したり体温が上下したり、身体にさまざまな生理的変化があらわれます。これらの変化は、人が眠り続けるために必要なもの。睡眠の質を高めるためには、この生理的変化を妨げない、保湿性・吸湿性・放湿性に優れた寝具を使うことが大切です。また、「暑くて眠れない」「寒くて目がさめる」など、温度も睡眠の質に影響します。季節の温度変化に応じて寝具の種類や素材を変え、快適に眠れる環境を整えましょう。
【運動】就寝の2時間前にストレッチやヨガ・入浴を
体温が下がっていくタイミングで床につくと、入眠がスムーズになります。就寝時間前後に体温が下がるよう、就寝の2時間ほど前に適度な運動をして体温を一時的に上げておきましょう。ストレッチやヨガなどの軽い運動の他、半身浴などもおすすめです。
注意点は、あまり激しく運動をしないこと。激しい運動をすると交感神経が刺激されて入眠の妨げになります。
「昼寝とカフェイン摂取」で効率的な眠気の解消を

毎日十分な睡眠をとるのが理想ですが、ときには睡眠不足のまま出社しなければならないこともあるはず。
そんなときは、以下の対処方法を試してみてください。
午後の早い時間に30分未満の昼寝を
午後の早い時間に30分未満の昼寝をすると、脳が覚醒しやすくなり睡眠不足を一時的に解消できます。おすすめは昼食後など眠気がやってくるタイミング。夕方に近づくにつれて、「夜に入眠しづらくなる」といった影響が出てくるので、昼寝を取り入れる場合は、なるべく午後の早い時間帯を選びましょう。
カフェインは摂取するタイミングに気をつけて
カフェインの血中濃度は、摂取して30分~1時間後にピークとなり、3時間程度効果が持続します。
昼食後にカフェインを摂取し、そのまま30分ほど昼寝をすれば、カフェインの効果がピークに達するのと起床のタイミングが重なるため、眠気解消により効果的です。
また、夕方から就寝前のカフェイン摂取は、夜の入眠を妨げたり睡眠時間を短くしたりするリスクがあります。夕方以降のカフェイン摂取は控えたほうが良いでしょう。
最後にご紹介した「日中に眠気を取る対処法」はあくまで一時的なもの。
睡眠不足による不注意が大きなミスにつながってしまった――
健康診断の結果、医師に再検査を勧められた――
などなど、
仕事のミスや健康被害を防ぐためにも、睡眠不足を感じている40代の方は、ぜひ「睡眠の質を高める方法」を試してみてください。