80年代~90年代前半の日本に君臨した、二つのラグビー最強チーム

新日鉄釜石と神戸製鋼が熱くした「成人の日」

イングランドで開催されたラグビーのワールドカップで、大番狂わせが起きました。過去優勝2回、世界トップの一角である南アフリカを、これまでワールドカップで1勝しかしていない日本が下したのです。

 

ラグビー史上、いや世界のスポーツの歴史に残る大金星。日本代表は決勝トーナメント進出こそ逃したものの、3勝1敗という好成績を残し、日本でのラグビー人気は一気に沸騰。今や“五郎丸ポーズ”を知らない人はいないといってもいいでしょう。

 

30代前半までの人たちには、ラグビーの迫力は新鮮なものに映ったのではないでしょうか。でもアラフォー世代以上には「ラグビーで燃える」ということには、どこか懐かしさもあるのです。

 

1980年代から1990年代前半までの日本では、ラグビーはメジャースポーツでした。新日鉄釜石は1985年まで日本選手権7連覇を達成。岩手県のチームが長く日本最強に君臨していたのです。鍛え上げられた地元の選手たちを率いる司令塔は、明治大学出身のエリート・松尾雄治。当時を代表するスポーツヒーローでした。

 

松尾の引退後、日本ラグビーを牽引したのは“ミスター・ラグビー”とも呼ばれた平尾誠二を中心に名選手がズラリと揃った神戸製鋼。このチームも7連覇を達成しています。

 

当時、ラグビーの日本選手権は1月15日、成人の日に開催。休日に家族でコタツに入りながらラグビー中継を見る。当時はそんな光景が、ごく普通のものでした。

 

それから時代は変わり、ラグビーでもワールドカップが開催されるようになると、日本は世界の壁に苦しむことになりました。ニュージーランド代表オールブラックスに、145-17という屈辱的な大差で負けたこともあります。

 

今回のワールドカップで、日本代表は世界の壁を突き破れる力があることを証明しました。次回のワールドカップは2019年に日本で開催。ここで日本のラグビー人気は過去最大のものになるはずです。

 

とはいえ、日本代表がさらに強くなるためには、そしてさらなるラグビー人気のためには、国内リーグのレベルアップ、盛り上がりも欠かせないでしょう。ジャパンラグビートップリーグから、かつての新日鉄釜石や神戸製鋼のような人気&強豪チームが生まれるかどうか。松尾、平尾を見てきた世代としては、そういうところにも注目したいのです。

橋本宗洋

橋本宗洋

フリーライター

1972年、茨城県生まれ。格闘技、プロレスなどを中心に執筆。たまに書籍の編集や映画の取材も。アイドルのライブに行ったり深夜ラジオ聴いたりで、好きなものが中学生の頃からあんまり変わってない40代。