
痛風の原因となる「高尿酸血症」。30~40代の男性がかかりやすい症状で、さらに、予備軍はたくさんいるといわれています。高尿酸血症の原因としては、内臓脂肪の増加やビールなどに含まれるプリン体の過剰摂取が挙げられます。
気温が高く、ビールが美味しいこれからの季節、高尿酸血症にならないためには、「高尿酸血症の原因・症状・予防策」について知っておくことが大切です。今回は、高尿酸血症の原因・症状・予防策についてご紹介します。
30~40代のおよそ3割が発症!内臓脂肪の蓄積がもたらす高尿酸血症

高尿酸血症の原因は、内臓脂肪の蓄積
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が高くなる病気のこと。血液検査で尿酸値が7mg/dl以上だと高尿酸血症と診断されます。主な原因は、内臓脂肪の蓄積とプリン体の過剰代謝。内臓脂肪が増えるとプリン体と呼ばれる成分の代謝が過剰になり、それに伴って血液中の尿酸が増えることで発症します。
赤く腫れて激痛が起こる!高尿酸血症(痛風)の症状
高尿酸血症が進行すると、尿酸が結晶化したものが関節や足元・耳たぶなどにたまります。すると、結晶がたまった部分で激しい痛みを伴う炎症が起こります。それがいわゆる「痛風(急性関節炎)」と呼ばれる病気の症状です。突然症状があらわれるので、「痛風発作」とも呼ばれます。
メタボ気味の方は特に注意
高尿酸血症にかかりやすい方の特徴として、「肥満体型」「暴飲暴食」「激しい運動をする」などがあります。また、高尿酸血症にかかっている方のうち、およそ7割はメタボリックシンドロームだといわれています。メタボ気味の方は、特に注意した方が良いでしょう。
高尿酸血症の予備軍は尿酸値を下げて。高尿酸血症の予防法

尿酸値を下げる方法①標準体重に戻す
先にも述べた通り、肥満の方は高尿酸血症になりやすいといわれています。肥満気味の方は、BMI(体格指数)25未満を目安に、食事と運動の2つのアプローチで体重を落としましょう。
- 【BMIの求め方】
- BMI=体重(kg)÷身長(m)2
- 例えば、身長170cm、体重68kgの場合
- BMI=68÷(1.7×1.7)=23.5 となり標準体重といえます。
運動を取り入れるときは、息切れするような激しい運動をすると、尿酸値が上がってしまうことがあるので要注意。散歩・軽めのランニング・サイクリングなど、軽めの有酸素運動からはじめましょう。
尿酸値を下げる方法②プリン体の摂取を控える
尿酸値を下げるためには、尿酸のもととなるプリン体を摂りすぎないようにすることが大切です。プリン体を多く含む食べ物としては、魚の卵・魚の内臓・干物にした魚の身・ビールなどが有名。その他、煮干し・かつお節・鶏がらなどからとった出汁にもプリン体が多く含まれます。尿酸値が高めの方は、これらの食べ物の摂りすぎに注意しましょう。
尿酸値を下げる方法③水分を十分に摂り、尿の量・回数を増やす
尿酸は尿とともに体外に排出されます。そのため、尿の量や回数を増やすことで、尿酸値を下げることができます。肥満の原因になるため、砂糖がたくさん入ったジュースやコーヒーはなるべく避けて、水やお茶などで水分を十分に摂取し、尿の量・回数を増やしましょう。
「暑い日×アルコール」は特に注意!夏は高尿酸血症が増える季節

夏は、尿酸値が上がりやすい季節といわれています。原因としては以下の3つが挙げられます。
・汗の量が増えると、尿量が減って尿酸の排泄量が減る
・夏に飲む機会が増えるビールには、尿酸のもととなるプリン体が多く含まれる
・アルコールが尿酸の排泄を阻害し、尿酸値を上げる
つまり、たくさん汗をかき、尿量が減少した状態でアルコールを大量に摂ると、尿酸値が上がりやすくなるのです。また、ビールを飲む方はプリン体を多く摂ることになるため、より尿酸値が高くなるといえます。尿酸値が高めの方は、高尿酸血症の予防のためにも、アルコール(特にビール)の摂取量をコントロールした方が良いでしょう。
高尿酸血症は、30~40代の男性に多くみられる病気です。その中で痛風の症状があらわれるのは一部ですが、予防するに越したことはありません。40代男性の方は、尿酸値が上がりやすい夏を前に一度、自身の生活スタイルを見直してみてはいかがでしょうか。