その一瞬を切り撮る──知識で映す「夏のエモい1枚」【フォトグラファー・中野晴代監修】

こんにちは、フォトグラファー・グラフィックデザイナーの中野晴代です。
もう夏本番ですね!夏といえば、縁日や旅行・アウトドアなど、 夏ならではの風景を写真におさめる楽しみがあります。

しかし、「なんだか“普通”の写真しか撮れない」「ただの記録写真になってしまう」そんな方が多いのではないでしょうか。「写真を撮るセンスがない」と嘆いている人もよく見かけます。

でも、素敵な写真を撮るにはセンスよりも知識が重要!逆を返すと、知識があれば素敵な写真は撮れるのです。撮影時に意識するポイント・カメラの特性・構図を理解すれば、写真は格段に良くなります。

そこで今回は、一眼レフ・スマホで写真撮影する際のコツやポイントをご紹介します。夏らしい趣のある写真を撮影したい方は、ぜひ参考にしてください。

中野晴代

静岡在住のフォトグラファー・デザイナー。お洒落なインスタグラムが大人気で、著書に「インスタグラム商品写真のとり方ガイド」なども。フォト&スタイリングのワークショップも開催しており、類まれなるセンスで感度の高い男女の心を掴んでいる。 

※以下はすべて、中野さんのインタビュー内容です

 

 

意識するだけで写真は変わる──今すぐできる3つの小技

①何をどのように伝えたいかをイメージする

写真を撮る際に重要なのは、何をどのように伝えたいのかを考えることです。

例えばこの金魚の写真は、ガラス面に写っている金魚が幻想的だったので、「浮遊感のある爽やかなイメージが伝わるといいな」と思って撮りました。気持ち良さそうに泳いでいる金魚の赤と水槽の水色のコントラストを意識して、色彩を美しく。また、円柱型の水槽がトンネルのように写るようにしています。

同じ場面を切り取る場合でも、どの部分をどのように伝えたいのかで写真は大きく変わります。ぜひ自分が何を伝えたいのかイメージしながら撮ってみてください。

②水平垂直をしっかりとる

撮影した写真をInstagramにアップする方は多いかと思います。そんな方に特に注意していただきたいポイントが、水平垂直がとれているかどうか。これがしっかりできているだけで写真の“こなれ感”が全く違います。Instagramは写真がグリッド表示されるため、水平垂直がとれていないとギャラリーが不安定な印象を与えます。

撮影する際は写真の四隅を必ず確認し、写っている被写体の横のラインや縦のラインがしっかり水平、または垂直になっているかどうかを十分チェックしてからシャッターを切ってください。

レンズの特性でどうしても歪みが出てしまう場合は、撮影時はできる限り合わせておき、撮った後にLightroomなどのアプリで補正すると良いでしょう。

▲木材の横のラインと縦のラインが並行になるようにしています。

▲画面のフチに縦ラインと横ラインを合わせます。

③撮影する時間帯を工夫する

  • (例1)屋外で人物を撮影する場合は“正午以外“
  • やわらかな写真・雰囲気のある写真を撮りたい方は、正午の時間帯を避け、太陽の光が斜めから当たる時間帯に撮影することをおすすめします。太陽が真上にある正午の時間帯は被写体に直接光が当たってコントラストが強くなり、きつい印象になります。

     

  • (例2) 縁日を撮影するなら“陽が落ちる少し前”
  • 縁日は、昼間よりも陽が完全に落ちる少し前の薄暗い時間帯の方が雰囲気良く撮れます。

▲陽が完全に落ちる前の時間帯に縁日を撮ると、背景に写るライトが玉ボケになりキラキラと雰囲気良く写ります。

  • 【ポイントおさらい】
  • 何をどのように伝えたいのかイメージする
  • 水平垂直をしっかりとる
  • 撮影する時間帯を工夫する

構図を知るとプロに近づく──基本の5つの構図

構図を意識すると、写真はグッとプロっぽくなります。今回は、5つの基本の構図をご紹介します。

①日の丸構図

▲被写体を真ん中に置く構図です。シンプルな構図で被写体を強く主張したいときに使用します。

▲日の丸構図でかき氷を主張。

②三分割構図

▲画面を三分割するラインを縦横に引き、その交点に被写体を置く構図です。

▲三分割構図でワンプレートを配置。

③放射線構図

▲画面の中に消失点(放射状の直線群が一点に集まる場所)を1つ作り、他の被写体がそれに向かっていくように見せる構図。奥行きを表現することができる。

▲放射線構図で、お面の列に奥行きを出しています。

④対角線構図

▲画面を斜めに二分割する構図。被写体を斜めに配置することで、写真の中に動きを作り出します。

▲対角線構図で空間を作り、抜け感を出しました。

⑤二分割構図

▲画面を縦もしくは横に二分割する構図です。奥行きや色などが明確に区別されているときに有効です。

▲二分割構図を用いて、落ち着いた雰囲気で撮影。

一眼レフ・スマホ、それぞれの使い分け・撮影のポイント

一眼レフとスマホは、撮るもののイメージによって使い分けることをおすすめします。

  • ・背景をボカして被写体を強調したい場合→一眼レフ
  • ・風景や空間など全体的なイメージを伝えたい→スマホ

それぞれを使用する際のポイントをご紹介します。

【一眼レフ】単焦点レンズで「絞り優先モード」、絞り値は最大に

私が主に使用しているカメラはsonyの一眼レフ・α7Ⅱです。レンズは背景がきれいにボケる単焦点、50㎜のF1.4を使用しています。一般的にレンズキットに付いてくるズームレンズは背景があまりきれいにボケないため、雰囲気のある写真を撮るのに適していません。これから購入を検討されている方は、ボディーとレンズを別々で購入することをおすすめします。

既にレンズキットを購入している方は、レンズのF値を確認してみてください。オートではなく「絞り優先モード」で撮ることと、F値を一番小さい数字に設定することで、背景をボカすことができます。

【スマホ】アングルは真横か真俯瞰を

スマホのカメラは広角レンズのため、広い画角で撮影することが可能です。その特性を活かして、風景や空間など、全体的にピントのあった写真を撮るのに向いています。斜めからのアングルでは歪みが生じやすいため、真横からか真俯瞰で撮ると良いでしょう。

▲真横から全体図がわかるように撮影。

▲夏のリゾートのテーブルを真俯瞰で撮影

【実例紹介】 夏の思い出の写真

それではここで、今まで夏に撮ったお気に入りの写真を少しだけ紹介させていただきます。旅先の写真や近所の縁日の写真まで様々です。ぜひ構図や撮り方の参考にしてください。

▲縁日はフォトジェニック。背景をボカして玉ボケをたくさん入れると幻想的な雰囲気に。

▲金魚すくいでとった金魚。子供の手を入れることによって臨場感が増します。

▲縁日の定番・りんご飴。

▲風鈴まつり。こちらはiphoneで撮影。

▲夕暮れの海を撮影。陽が落ちる前のひとときがシャッターチャンスです。

▲旅先のジェラート店で。ジェラートのカップの色とソファの黄色が可愛かったので、背景にも気を配って撮影し、雰囲気のある写真に仕上げています。

▲庭のピンクの花が可愛い。青空をあえて上部に大きく入れています。

▲ピンクの服を着た女性と青い空がきれいな1枚。

まとめ

普段撮っている何げない風景でも、構図や目線を意識するだけで雰囲気のある世界観を表現することができます。もうすぐ夏休み、家族で出かける機会も多いと思います。ぜひ、いつもと違った写真にトライしてみてください!

 

編集:小嶋悠香

中野晴代

中野晴代

中野晴代 静岡在住のフォトグラファー・デザイナー。お洒落なインスタグラムが大人気で、著書に「インスタグラム商品写真のとり方ガイド」なども。フォト&スタイリングのワークショップも開催しており、類まれなるセンスで感度の高い男女の心を掴んでいる。 Instagram → https://www.instagram.com/haruyonakano/