【家計再生コンサルタントに聞く!】出費が続く8月が終われば……家計の見直しで「貯金上手」に

夏休み中の8月には、旅行・お盆の帰省・甥や姪などへのおこづかい、その他レジャーなどにお金がかかり「貯蓄が減ってしまった……」という40代の方も多いのではないでしょうか。

ついお金を使うことが習慣化してしまい、いつも支出が多い状況になっているという人もいるでしょう。9月からはそれを挽回すべく、貯金上手になるための方法を少し学んでみませんか?

では、貯金上手になるためには、どのような部分に注意する必要があるのでしょう。
貯金ができない人の特徴・家計の見直し方・事例などを通して、「上手く貯金する方法」について詳しくご紹介します。

横山光昭

司法書士事務所勤務時代に学んだ知識を活かし、借金・ローン問題にファイナンシャルプランナー(FP)の家計を重視した視点で、一般的な法律家とは異なる取り組みを実践。FPとしては、異例の家計の「負債重視型」コンサルタント。リバウンドの少ない再生と飛躍を実現する。口コミ客も多く、FP では異端児として業界紙にも取り上げられ、その他各種雑誌への執筆、講演も多数。また、法人に対するコンサルタントでは、困窮企業を 再生させる「企業・事業再生」「ターンアラウンド」という分野を専門とする。著書「年収200万円からの貯金生活宣言」は、100万部を超えるベストセラー。

URL:https://www.myfp.jp/

※以下はすべて、横山さんの執筆した内容です

 

 

共通点は「俯瞰」の欠如。貯金下手に見られる3つの特徴

今まで、非常に多くの家計相談を受けてきました。
その中で「貯金ができない」と悩む方々にはある特徴があると感じています。
それが以下の3つ。

  • 1.将来への見通しが甘い
  • 2.行動力がない
  • 3.自分事として考えられず継続できない

それぞれについて、詳しくご紹介します。

1.将来への見通しが甘い

将来への見通しが甘い方は、「今月の収入で何とかやりくりできるからいいや」「支払うことができるから、今欲しいものを買ってしまおう」などと考え、欲求のままにお金を使ってしまいがちです。今お金を使い切ってしまったら、1年後はどうなるか、10年後20年後がどうなるかを見通せず、将来起こるであろうお金の問題に対し無頓着。結果、住宅の購入・子どもの進学など、まとまった資金が必要なタイミングで貯金ができておらず、借金を作ってしまうなど、悪循環に陥ってしまいます。

2.行動力がない

行動力がない方は、今やらなくてはいけない、やったほうが良いだろうと考えているはずなのに、貯金に取り組むことができません。「本当は格安スマホにしたいんだけど、子どもが受験中だからそんな時間が取れなくて」「仕事が忙しくて、ふるさと納税に取り組むことができない」など、一見正当に思える理由を言い訳にしてしまいます。貯金に取り組もうとはするものの、「もっと良い方法があるのでは?」と考えこみ、結局取り組めないという悪循環に陥る方も見受けられます。

3.自分事として考えられず継続できない

自分事として考えられず継続できない方は、情報を得て「これはいい」と思って取り組んでみても、すぐに飽きてやめてしまいがちです。長く続けられれば成果が出るはずだったのに、途中でやめてしまうため、お金がいっこうに貯まっていきません。行動力はあるものの、貯金に対してどこか他人事で、家計の見直しや貯金に本気になれないのが大きな課題です。

“将来と今”2つの視点で家計を見直す意識を

「貯金ができない方の3つの特徴」は、それぞれタイプは違うものの、「自分のお金を俯瞰的に見られない」という共通点があると考えています。

将来的に必要になる金額はいくらなのか――
そのためには毎月どの程度貯金する必要があるのか――
そのためには支出をどの程度抑える必要があるのか――
現在の収入で目標とする金額に到達することはできるのか――
などなど、

将来的に必要になる金額を把握し、その金額に到達するために必要な金額を今一度見直す。
俯瞰的な視点で今と将来のお金について考えてみることが、貯金上手になるための第一歩といえるのかもしれません。

「変動費」ではなく「固定費」に注目!3つのステップで簡単「家計の見直し」

「お金が貯まらない……」とお悩みの方は、まずは俯瞰的に今と将来のお金について考えてみてください。そのうえで試してみてほしいのが「家計の見直し」です。

家計を見直せば、多くの人は貯金額を増やしていけます。
ここでは、初心者でも取り組みやすい「見直し方」について、3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1:支出を書き出す

家計簿をつけるまでは必要ありません。毎月いくらの支出をして生活をしているのかがわかるよう、紙に支出を書き出していきます。1か月分をまとめた大雑把な金額で構いません。

例えば、家賃ー8万円、食費ー4万5000円、水道光熱費ー2万円という感じで、費目ごとに書き出すと良いと思います。口座の引き落としや振込履歴を見るとわかるものもあるでしょうし、カードの明細書など、散在しているであろう記録を1つの紙にまとめます。

家計簿アプリなどで記録している人も、この1回に限り、紙に書き出してみましょう。食費などはなんとなくの概算になってしまうかもしれませんが、できるだけ正確に書き出すように注意してください。

ステップ2:支出を「固定費」「変動費」に大別

書き出してみたら、次に支出を固定費と変動費に分けてみます。

「固定費」は毎月金額が変わらない支出のことで、家賃・住宅ローン・生命保険料・通信費・教育費などが該当します。口座引き落としや振込になるものが多いので、すぐに分けられるでしょう。

「変動費」は毎月金額が変わる支出のことで、食費・日用品代・交際費・被服費・水道光熱費など数多くの費目が該当します。レシートなどの記録がないと把握が難しい部分ですが、カード類で決済することが多い人は、明細から把握することができるでしょう。

ステップ3:支出削減は固定費から

人は節約しようと思うと、つい「変動費」に取り掛かろうとしがちです。該当する費目も多く、支出を下げやすいと錯覚してしまうのです。ですが、変動費は不安定な支出です。つまりやる気があるときは支出を抑えられるけれど、やる気が出なかったり、面倒だと思ってしまったりしたら、たやすくリバウンドしてしまう支出なのです。

であれば、「固定費」から見直すことが得策です。生命保険・家賃・住宅ローン・通信費(スマホ代)などを抑えていくにはある程度知識も必要な部分が出てきますが、時間をかけて削減を図ると、その削減効果はずっと継続できます。

例えば、一番取り掛かりやすいのはスマートフォン代の見直しです。今では大手キャリアも利用金額を下げたプランを出してきているので、プラン変更で検討しても良いでしょうし、格安な通信業者に変更するのも良いかもしれません。業者を変更しても、違約金などは数か月で元が取れる場合も多いものです。そして、すぐに削減の効果を感じられると思います。

  • ※固定費を下げるときのポイント
    固定費の中でも、転居や住宅ローンの見直しなどは気力・労力がいるため優先順位を下げてよいでしょう。生命保険も一人では商品選びが難しいでしょうし、かといって無料の相談窓口に行くと、都合の良い商品を勧められがちで意味がないという場合もあります。中立な立場のファイナンシャルプランナー(FP)などに相談することをお勧めします。また、納得がいく商品を契約できるように、見直しの際には自分でも多少保険について学んでおきましょう。

事例で学ぶ。“無理ない範囲ではじめること”が黒字化への近道

では、実際に家計の見直しに取り組んで、貯金ができるようになった方の事例をご紹介しましょう。

課題:年収600万円……にも関わらず毎月赤字、募る不安

  • 会社員の田中さん(仮名 43歳)は、なかなか貯金が増えないことが気になっていました。昨年のお正月に使ったお金、夏に旅行に行ったお金、全て減ったままで、以前の金額に戻りません。
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  • 「お金を使いすぎているんだな」と感じていましたが、それでもなかなか習慣を変えることができず、徐々に困ってきました。さらに、子ども(小4)が塾に行きはじめたり、サッカーの遠征に行くようになったり、出費は増えていく一方。
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  • 現在の貯金は約500万円。今すぐ路頭に迷うことはありませんが、子どもにどんどんお金がかかってくると、この貯金も目減りすることが予想されます。年収が600万円ほどあるのに貯金ができておらず、毎月赤字。赤字の補てんにボーナスを使うので、ボーナスも残りません。本格的な金欠に陥る前に、何とか改善しなくてはいけないと感じていました。

解決の要因:家計の見直しで無駄を発見。継続可能な削減と収入アップで黒字化へ

  • 状況を打開するために、田中さんがまずおこなったのが家計の見直し。支出を書き出してみると、食費が9万円ほどかかっていることがわかりました。スマートフォン代も3台分で2万5000円。生命保険も4万円ほどかかっており、家計を圧迫していることがわかりました。
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  • そこで、田中さんは、固定費の見直しをすることにしました。まずは通信費です。インターネット回線の割引を受けたかったので、大手キャリアでプランの見直しをすることにしました。また、生命保険はFPに見てもらい、保障内容を今の家族状況に合ったものに見直しました。
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  • 食費はなかなか減らなかったのですが、1週間ずつ予算を設けるという方法をとり、少しずつ減らしました。もちろん、食材の無駄を作らないことも意識していきました。あまり無理な削減はせず、継続できるかどうかで対策を図っていきました。食費の削減も無理がなかったようで、合計で4万円程の支出を毎月安定的に削減することができ、家計が黒字化。
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  • 加えて、妻(40)が1週間のうち1~2日、パートに出ることに。毎月収入が3~4万円ほど増え、これを貯金に回しています。削減と収入アップで、実質7~8万円ものお金を生むことができました。家計が黒字化したことで、ボーナスも減らなくなり、1年間でここ数年よりも50万円ほど多く貯金することができるようになったそうです。

田中さんは、家計を見直すことで「固定費」の課題に気づき、継続可能な範囲で削減したことで黒字化に成功しました。また、パートで月に3~4万円とはいえ収入を増やしたのも効果的で、黒字化の大きな要因になりました。

この事例のポイントは、「無理のない範囲」で固定費の削減と収入アップを実施したところ。継続可能な選択肢を選び、コツコツと積み重ねることの重要性を改めて理解することができました。

“小さくコツコツ”が貯金下手を貯金上手へと導く

あたりまえですが、貯金は急に増やせません。
家計において、お金において、魔法のように状況を変える方法はないのです。家計に良いといわれることは今も昔も変わらないことが多いですし、面白みがないことも多いもの。ですが、田中さんのように、あたりまえのことをあたりまえに、コツコツやることが貯金上手になるためには一番効果的

人間ですから、長期休暇などで使いすぎることもあります。
ですが、それはそれで良いのではないかと私は考えています。大切なのは、使いすぎの状態を習慣化しないこと。そして、可能な範囲で無駄をしっかり削り、コツコツとそれを続けること。

「お金が貯まらない……」とお悩みの方は、まずは1か月の支出を書き出し、固定費に無駄がないかをしっかり確認しましょう。そして、無理のない範囲で固定費を削減する、それが家計改善・貯金上手への第1歩なのです。

 

企画・編集:児島宏明

横山光昭

横山光昭

司法書士事務所勤務時代に学んだ知識を活かし、借金・ローン問題にファイナンシャルプランナー(FP)FPとしては、異例の家計の「負債重視型」コンサルタント。リバウンドの少ない再生と飛躍を実現する。各種雑誌への執筆、講演も多数。著書「年収200万円からの貯金生活宣言」は、100万部を超えるベストセラー。 URL:https://www.myfp.jp/