2016.01.10

健康
速く短く走れても、ゆっくり長く走れるとは限らない

同じ練習ばかりしていると、応用が利かない

先日、テニスのインストラクターをしている友人Sとランニングの話になりました。S君はトレーニングのために週に1~2回、10キロを1時間弱で走っているといいます。走り始めてかれこれ10数年。10キロという距離と1時間弱というタイムはとくに大変でもなく、筋肉痛になるわけでもありません。それだけ走っていればフルマラソンを走っても結構いいタイムが出るのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれません。42.195キロのフルマラソンで4時間を切るためには1キロあたり平均5分45秒以上で走らなければなりません。まぁ、S君はフルマラソンには興味がなかったので、その代わりに、こんなお題を提案してみました。

 

「どんなにゆっくりでもいいから、2時間走り続けられる?」

 

彼は「えっ、そんなのできて当たり前でしょ!」とは言いませんでしたが、自信満々の表情をしていました。

 

「だまされたと思ってやってみて! どんなにゆっくりでもいいからね」

 

S君はしぶしぶOKしてその日は別れました。そして、次回S君と食事をしたとき、自信満々だった前回の表情とは打って変わって、狐につままれたような表情をしていました。
S君「できなかったんです。途中で歩いちゃいました……」

 

「ゆっくり走ったの?」

 

S君「はい、いつもよりずいぶんゆっくり」

 

自分でも信じられないといった表情でした。

 

同じ走り方を繰り返していると、このようなことが起こります。本人は「ゆっくりでいいなら、いつまででも走れる」と思っているのに、実はゆっくりでいいから長時間走る練習は一切していなかったということですね。

 

S君のような、他のスポーツのトレーニングの一環として走る場合や、健康維持のために走る場合であれば、週に2回、10キロのランニングは十分といえるでしょう。しかし、走ることが面白くなってきて、ハーフマラソンやフルマラソンを走ってみたいと思うようになったら、バリエーショントレーニングが必要です。一定のスピードで走るペース走、ゆっくり長く走るLSD(ロング・スロー・ディスタンス)、徐々にペースを上げていくビルドアップ、全力疾走と休憩を繰り返すインターバルなど。

 

検索すればいろいろなトレーニングが出てきますが、掲載されている形式どおりに行わなくても、効果は現れます。たとえば、S君のいつもの走りはペース走。今回のような長めの時間を指定した走り方ならLSD。坂道の上り下りを繰り返せばインターバルトレーニングと同じような効果が得られます。

 

大会を目指していなくても、いつもの単調な走りに変化をつければ新鮮な感覚になり。モチベーションも維持されるはすです。

 

ランニングに慣れてきたら変化走を! お勧めです。

綾小路浩二

綾小路浩二

スポーツ系エディター

スポーツ系雑誌の編集長として15年のキャリアを持ち、書籍や映像、ウェブサイトなどのディレクションも行う。スポーツは観戦よりも実行派のプレイングエディター。グッズやテクニックに関心が高く、まずは格好から。また、テクニックを極めるためのボディワークにも興味津々。